2015年2月26日木曜日

【公演】「逆しら」について、作、演出の藤井友紀より。

重力に逆らいし 我が心うち 誰にも言えぬ 夜毎の渇き


『逆しら』について・・・
『逆しら』というタイトルが頭に浮かびました。なぜ浮かんだか・・・・もしかすると『さかしま』というジョリス=カルル・ユイスマンスというフランスの作家が書いた本を読んだこともないくせにタイトルだけ強烈に覚えていたからかもしれません。
それから勝手に逆しらとは、逆柱のこととして考えるようになり、逆柱と言えば、日光東照宮の陽明門に立てられている12本の柱のうちの1本、模様が逆さになっている柱のことだと思いました。どうして1本だけ逆さなのか?建物は完璧に作ってしまうと、あとは崩壊の道を辿るだけと言われ、柱を1本だけ逆さに立てることにより、この建物は完璧ではありませんので、未来永劫残りますという願いが込められているのです。
確かに日光東照宮はパワースポットとも言われ、現在でも豪華絢爛、人気も衰えることを知らない。けれど、逆さに立てられた柱は?ずっと逆さま。逆さに立てられた柱は夜、泣いたり家鳴りを起こすと言われており、逆柱は未来永劫、泣き続けているのかもしれない。
そんなことから、何かを保つ為の犠牲ってなんだろうと考えていたのですが、そのうちに人間が生き物の中では逆柱になるんじゃないかと思うようになりました。生き物の中で一番、不自然で進化の仕方は自然に逆らっている。民族によるのかもしれませんが・・・私はiPhoneなしで暮らしていける自信がありません。人間は自然に逆らって快適な暮らしをしているはずなのに、夜、主に泣いています。しかし快適と思っている生活は、プリミティブな感覚に還れば、全然快適じゃないのかもしれない。主に泣いているのだから・・・
この度の作品ではそんなプリミティブとデリバティブとビビデバビデブ混在の混乱によるおもしろさを追求できればと思っています。
                                                        藤井 友紀

黄金山アタックとは・・・
日本劇作家協会中国支部長である劇作家の藤井友紀を主宰に、広島を拠点として活動する劇団。
人間の心の奥底に存在するエゴや醜さ、その中で垣間見える尊さ、生と死の意味など普遍性のあるテーマを独特な世界観の中で表現する。