2015年6月19日金曜日

【雑記】広島の高校生たちに劇場に来てほしい、そしていい芝居を観てほしい。

昨晩は、舞台芸術制作室無色透明の今年度事業会議でした。
わたくし、山田めい、藤井ユキ顧問、そして人間そっくり状態のスカイプ参加の佐々木あや(inホーチミン)。
事業の稼働は主に秋からなんですが、もう黄金山アタックの三重公演は来月だし、秋冬の事業もほとんどが動き出している状態なので、夜おそくからだったんだけど、みんなにムリして集まってもらいました。
メールのやりとりはしょっちゅうですが、数年前から顔をみて話せる人と状態の時にだけ本気本音で話そう(本気というか、想いとかポリシーとかそういったことね)ということにしているので、やっぱりみんなには会って話したかったんだな。
今年度の事業の詳細説明、現状、予算状況。そして芸術と生活と経済を乖離させないために制作事務所を立ち上げたことや、活動や創作のお金はそれに見合った対価で得るシステムをつくりたいこと、それぞれの劇団(事務局員は全員自分の劇団をやっているから)の制作統括をするにあたって願っていること、目標にしていること、などなど。
中でも「お客様を増やしていく」というのは、やはり最大の課題です。
制作としても劇団としても。
お客様が増えたらそれ相応の質の作品を創っていかないといけないし、諸刃の剣というか表裏一体というか。

わたしが今悩んでいる事の一つに、顧客に若年層がほとんどいないことがあります。
山田、佐々木が加わるまでは、大学生ですらいなかったけれど、二人が入ったことで大学生のお客様は少し増えました。
でも高校生は皆無。
なぜだ。
「高校演劇」というものはこれくらいの都市規模になると、相当数関わっている人数居るはずなのに、どうして高校生は劇場に来ないんだろう?
「何で?どうして?あやちゃんやめいちゃんは、高校生の時はもう芝居やってたよね?観てたよね?どうやって、どこで情報手に入れてたの?チケットいくらだったら行ってた?」
ときいてみたりしながら。
結果、あんまりこれといった理由は良くわからなかったのだけど「知り合いに誘われて」とか「友だちが出てる」というタイミングでしか観てなかったみたいでした。
つまり、「知らない人のところには行かない」
高校演劇やっててもその状態なら、演劇にかかわったこともない高校生なんてさらに行かないよね、そりゃ。
でも、イワサキには高校生に知り合いも友達もおりません。

ふと、どこかで半ばあきらめかけている自分に気づきました。
「わたし、どっかで『どうせ来ないだろうけど』って思いながらやってない?『高校生以下って来ないよね~』とかて悩んでるフリして世間話してるだけじゃねえの?」
って、チラシのゲラの原稿書きながら思ったんです。
そりゃ、一般の価格設定が一番高いから、制作的にはその方が入場料収入は増えるんです。でもだからって?高校生や中学生は来なくてもまあいいか、でいいわけ?その程度なんか?わたしの広島の人にいい舞台に触れてほしいという気持ちは。
脳内会議勃発。
で、去年度から三重に倣って「チケット代高校生以下前売り当日とも500円」という制度に取り組み始めたのです。
今までは、チケット代の価格設定に準じて、高校生も矛盾のない数字にしてました(一般2,500なら、22歳以下2,000、高校生以下1,500、みたいな)。
矛盾だらけの価格設定です。

逆しらの広島公演でも高校生以下は一律500円でした。
正直、お客様から「価格設定不公平感ある気がする」というご意見もいただきました。
ごもっともです。真摯に受け止めてます。
でも、来てほしんです、高校生や中学生にも。
「演劇」という空間の体験をしてほしい。それが初めての出会いに相応しい責任をもってやっていけるよう、持って来れるようがんばりますから、劇場に来てほしい。スマートフォンの中にはない世界が「そこ」にはあることを知ってほしい。
心底、そう思ってます。
そんな中、あやちゃんがFaceboookにあげてた記事を偶然みました。
正直、ぐっと、奥歯をかみしめました。
野田さんが1,000円で挑んでるんだったら、500円チャレンジ相応じゃないか諦めないぞと励まされたので、久しぶりに駄文を書いたのでした。

「野田秀樹からの手紙」from東京芸術劇場サイト
http://www.geigeki.jp/U18/