2015年9月23日水曜日

無関心でありたくない。

平田オリザさんのスピーチを聞いた。

わたし達は、常に日常に追われている。
明日の出勤、営業ノルマ、事業計画、家事、育児、介護、予算、給与、借金、職場の人間関係、クレーム対応、次の公演、稽古。
そんな中で、今の日本の現状や政治情勢や世界で起こる内戦や紛争の悲劇に果たして真摯に考えられているだろうか。
正直、わたし自身、今の政権を嫌悪しながらも、どこかで日常に追いやられている。

演劇というマイノリティな活動をしている。
政治批判は、もしかしたらただでさえ少ない観客を減らすことになりうるかもしれない。
わたしは、オリザさんがこんなにも特定の誰かを名指しで批判するのを聞いたことがない。
自分のちっぽけさを改めて思い知った。

表現は自由だ。
そんなことに全く関心を持たなくても、作品を作ったり公演をしたりお客さんにチケットを売ったりできる。
安保が可決されることより、自分のチケットノルマの方が重要でも、公演は成立する。
政治とか難しことはよく分からないからとうっちゃっていても、セリフを覚えれば舞台に立てる。
それが間違っているとか、どれが正義とかじゃない。
ただ、わたしは、わたし自身は演劇という表現活動の末席に携わる一人として、無関心で在りたくない。
強く、そう思った。
ずいぶん昔に記事に書いたけれど、橋下政治の元で「大阪の公務員は演劇(など)をしてはいけない、観てはいけない(つまりそういうことにお金を使ってはいけない)」という本当にアホみたいな内容の条例が可決されたことを、どれだけの演劇人が知っているんだろうか。

これは決して対岸の火事じゃない。
今の政権の在り方は間違っている。
国があるところに国民が居るんじゃない。
国民がいるところに国があるの。
「国政に従う」んじゃない、国民が国を動かすの。

わたしにできることをしよう。