2019年11月25日月曜日

【過去のブログより再掲】平田オリザ氏へインタビュー

2007年、青年団プロジェクト「隣にいてもひとり~広島編~」のオーディションに合格し、わたしはこの舞台を最後に役者を辞めたのですが、同じくオーディションに合格し、この舞台をきっかけに役者を志した坂田光平と今も一緒に活動しています。可笑しな話だ(笑)
稽古の合間に、当時作っていた演劇情報誌に掲載させていただくため、オリザさんにインタビューさせていただいた時の記事です。聞き手(わたし)の質問がアホ過ぎる部分に関しては29歳の自分の現実と受け止めています・・・
色々もがいていた時期でした。オリザさんに聞きながら、色々励みになったのを覚えています。
そして12年の時を経て、新たな形でご一緒させていただける事になったことは素直にうれしいことです。

<演劇×福祉×医療> 連携から生まれる新しい現場  ~演劇でつくる人と人とのアクセシビリティ~
https://www.facebook.com/events/506870259900901/
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2007.12.18 Tuesday
author:「まど。」管理人
平田オリザ氏インタビュー
広島演劇協会広報誌「座々」のNo26号を発行しました。
こちら協会のサイトにて定期購読も受け付けています。
今号でわたくしは、平田オリザ氏へのインタビュー記事を企画担当しました。

座々掲載・平田オリザ氏インタビュー
2007年11月2日~12日まで山小屋シアターで上演された青年団プロジェクト「隣にいても一人~広島編~」は観客動員850人という快挙を成し遂げ、大盛況の中、幕を閉じました。5月に出演者オーディションが行われ、約70人のオーディション参加者から6名が選抜され、青年団プロジェクトは起動しました。
それから約半年をかけ、プレ稽古をもとにした自主稽古、そして集中した本稽古で一気に形を整え息を吹き込んでいく、という長期プランで作品は創り上げられました。
そんな中10月半ばからは広島に滞在してA、B2チームの演出をこなされていた平田オリザ氏に、独占インタビューに答えていただきました。

―今回半年というスパンで広島に関わられ、実際に滞在し、創作を行われる中で感じられた広島の演劇人、演劇事情、環境への気付きなどはありますか?

厳しい言い方を許してもらえれば、全体的に欲望が足りない感じがします。
成功するための戦略と言ってもいいんだけど。
自分が演劇をしていく上で何をどうしたいのか、そのためにはどうすればいいのかを本気で考える力が、少し欠けている気がしますね。
以前、福岡で、なぜ北九州で泊君(注1)だけがあんなに成功したのか、と尋ねられたことがあります。それは、彼が成功への欲望がずば抜けていたからです。他に理由はない。
欲望も才能のうちなんですね。

―つまり、欲望=才能を持った人間が少ない、ということですね?

それは分からない。どこかに隠れているかもしれないし、自分の才能に気がついていないだけかもしれない。
ただ、その「才能」というのは、行政などが意図的に育てたり作り出したりすることは出来ません。特に、そういう事を考えたり意識したりするのはやはり演出家なんで、いまの広島の問題として考えるなら、「演出家の不在」という事柄が大きいと思います。
ただし、それを育てることが出来ない以上、出てくるのを根気よく待つしかない。
そしてその才能が現れたとき彼らが活動できる基盤を、その地域に整えておかなければなりません。それが地域の文化行政の仕事です。

―オーディションなどを経て、広島の役者に対してアドバイスはありますか?

同じですね。欲望がちょっと薄いんじゃないかと思います。

―この度このプロジェクトを全国各地で行われていらっしゃいますが、他地域の役者と広島の役者と違う点などはありましたか?

特にないですね。どこも結構同じ感じです。
でも、この「同じ感じ」ということころに広島の人は問題意識を持たなきゃいけないと思います。今回のプロジェクトの中では広島は一番大きな都市なのですから。
広島と同規模の都市に比べると、演劇人の「層の薄さ」に危機感を持たなければならないでしょうね。オーディションに70人集まったと言って喜んでいてはダメでしょう。同じ企画を仙台や北九州でやれば200人近くは集まるでしょう。
たとえば、現に、広島の高校演劇の実績は、全国的にも決して低いものではありません。それなのにこの現状ということは、まさに活動の受け皿がないことの現われでしょう。
そのことを、もう少し深刻に考えなければならないと思います。

―今回のプロジェクトで困難だった点と良かった点を教えて下さい

困難だった点は特にないですね。愉しくやっています。芝居はそもそも愉しくやるもんだから(笑)基本的に芝居をやってて困難なことなんてないですよ。
良かった点はやっぱり山小屋(山小屋シアター)で出来たということでしょう。
他の地域では公共ホールとか、もっと大きな所でやったりしているけれど、僕はもともと小劇場の出身だから、アットホームな感じというか、このくらいの空間が一番好きだし落ち着きます。
すでに今この空間(山小屋シアター)は広島の人々に愛され始めているのだろうけれど、もっともっと愛されるスペースになっていって欲しいし、そうなっていくべきだと思います。そのためのお手伝いなら、なんでもしたいと思っています。

―演劇が社会と繋がっていくための方法、必要性などの観点において先進的な考えをお持ちのことで知られる平田さんですが、まだまだ地方の演劇人にはその意識が薄いのが現実です。もっと一人一人がその意識を持っていくためにはどうすればいいとお考えですか?

それにはやっぱりその地域に演出家を出さないといけないでしょうね。そういうのを引っ張っていくのは、やっぱり演出家ですから。
一人一人が、というのは難しいんですね。みんなで頑張ろうとかって言う問題ではない。
演出家が、「自分が日本の演劇史を変えていくんだ」くらいの気持ちを持たないと。

―地方で演劇をしていると自ずと「地域性」というのが声高に言われがちですが、この点についてお考えをお聞かせください

地域性というのは後から付いてくるものなんですよ。
例えばプロ野球やサッカーのチームが広島にもありますね。彼らは別に「広島らしい野球」や「広島らしいサッカー」をしようとしているわけではないでしょう? 勝てばいい。負けてもいいから広島らしい野球をやってくれとか、監督は広島出身じゃなきゃダメだとか、そんなファンはいないでしょう。
演劇だって同じことです。どこでやったって本質は同じです。とにかく質の高い作品を作ること。
例えば、青年団は去年「別れの唄」という作品をフランスで、向こうの国立演劇センターと共同制作しました。これはティヨンビルという非常に小さな街の国立劇場です。
しかし、僕は創る上で「ティヨンビルらしさ」なんてものを意識して創ったわけでもなんでもありませんし、そんな依頼も受けていません。
その作品は非常に高い評価を得る事が出来、再演も決まって、結果としてティヨンビルという小さな街の大きな財産になりました。
僕らは芸術活動をしているわけであって、村おこしをしているのではありません。
結果としてその地域に拠ったものになることはあったとしても、地域性から創造するわけではありません。

―では「広島らしい芝居をつくろう」とか「広島らしさを打ち出していこう」というのは?

そんなのは有り得ないですよね。そもそも出発点を間違えています。

―演劇をやっていて一番愉しいときはどんなときですか?

基本的にいつも愉しいですよ(笑)
ただ僕は、演出家か劇作家かと聞かれると劇作家なので、作家として愉しいときはやっぱり戯曲が書きあがったときですね。

―ではもし演出家、劇作家になっていなかったら何になっていらっしゃいましたか?

詐欺師かな(笑)

―詐欺師、ですか?(笑)それはなぜでしょう?

よくウソつきって言われるから(笑)
その点いいですよね、劇作家って言うのは。ウソをついて人に喜ばれる仕事ですから(笑)

―最後に平田さんにとってプロフェッショナル、とは何でしょうか

命がけでやる、って事ですかね。

―今でもそういうおつもりで?

そりゃそうですよ(笑)
今でも、もし仮に、次に書く作品が歴史に残る名作になるという約束がもらえるなら、指一本くらいはなくなってもいいと思う。本気でそう思うんですよ。もしそんな契約を悪魔に持ち掛けられたら受けてしまうと思う(笑)。命まで取られるのはちょっと困るけど。

―役者ならば、どうでしょう?

そうですね、役者に置き換えるなら命がけで舞台に立つ、って事だけど、それをいつもいつもっていうのはそんなに易しいことじゃないですよね。
でも、そこかな、敢えて言うなら。つまり、一瞬ならってできるっていうのじゃダメってことですね。プロって言うのは瞬発力ではなく持続力なんです、要は。継続して命がけって言うのは、ちょっと難しいからね。

―つまりそれで食えてるとかじゃなくて?

そんなの全然関係ないよ(笑)僕たちは芸術をやっているわけですから。芸術って言うのは100年のスパンで考えるものです。
あのベケット(注2)の「ゴドーを待ちながら」でさえ、アメリカ公演の初演は、一幕が終わって観客がみんな帰っちゃったんだから。
その中で最後まで残った客が2人だけいて、その2人はサローヤン(注3)とテネシー・ウィリアムズ(注4)だったっていうんだけどね。
つまり、今現在がどうこうじゃない、ってことですよ。お金は、食える分だけ、どっかから持ってくればいいんです。

―ありがとうございました。

インタビュー 岩﨑きえ(本公演出演者、無色透明)

注1
泊篤志さん。北九州を拠点に活躍する劇作家、演出家。劇団「飛ぶ劇場」代表であり、「北九州芸術劇場」学芸係ディレクターでもある。来年二月に広島公演が決定している。
注2
サミュエル・ベケット(1906~1989)
アイルランド出身、フランスの劇作家。不条理演劇を代表する作家の一人。また、ウジェーヌ・イヨネスコと同様に、20世紀フランスを代表する劇作家としても知られている。1969年にはノーベル文学賞を受賞。代表作「ゴドーを待ちながら」は数々の作家に影響を与えた不条理劇の傑作として知られる。
注3
ウィリアム・サローヤン(1908~1981)
アルメニヤ系移民の子としてアメリカに生まれる。代表作に「わが名はアラム」「パパ・ユアクレイジー」などがある。ユーモアとペーソスに溢れた清澄な文章で庶民の感情の機微を書き続けた作家。
注3
テネシー・ウィリアムズ(1911~1983)
アメリカの劇作家。複雑な家庭環境に育ち、彼の作品の多くは家族への抗議・葛藤を描いた自叙伝である、とも言われる。代表作に「ガラスの動物園」「欲望という名の電車」(1948年ピュリッツアー賞受賞)「熱いトタン屋根の猫」(1955年ピュリッツアー賞受賞)がある。        

2019年11月24日日曜日

【事業】12/7,8に松山で公演、12/13にシンポジウム行います。

去年の年末死ぬほど忙しかった事だけは覚えているのですが、今年の年末もそうなるんでしょうね。
県外公演とシンポジウムのご案内です。




有難い事に、ここ毎年何かしら企画を持って出させてもらっているような気がします。
広島は便利で住みよいところで、別に無理やり県外に作品を持って出なくても、それなりの成果発表はできます。その上わたしの様にサラリーマンをしながら演劇をしている人間にとって、県外公演は地元公演よりリスキーです。相応の休み取らないといけないし、お金も工面しなきゃいけない。確実に体力は落ちている。
そんなしんどい思いまでして、お金もかかるのに、広島の外に出ていくなんてナンセンスと思われてるかもしれません。現に、広島には未だにツアーをする劇団は存在しません。
もはや、わたしの情熱は時代遅れなのかもしれません。
いいんです。しょうがないから。だって広島の中のそれなりの成果発表ではぜんぜんお腹いっぱいにならないのですもの。見知った顔、見知った公共施設、見知ったお客様をあてにして、年に1回程度の公演を打つことに終始してしまっていては、今より演劇の市民権を得ていく事なんて到底できないと思っているからです。
お客様を増やすということはほんとうに無限の課題です。広島には100万人以上の人が住んでらっしゃるのに、我々は毎度毎度苦戦しています。毎度毎度情けないと思います。なんの努力が足りないのかと。
情報化が発展し、世の中に魅力的なイベントの情報が毎週タイムラインに流れてくる中で、演劇を選んでもらうことは年々難しくなってきています。
困難は困難として、創ったものをより多くの人に観てもらう努力をやめるわけにはいきません。新しい土地、新しいお客様に体験をしてもらいたい、そういう作品を創りづつけたいと思うからです。
演技が上達したい、というのは簡単。でも祈っていたって演技が上達するわけじゃない。誰かがテストで合格点を決めてくれるわけでもない。自分自身がどう覚悟するかでしか、この道は拓いていけない。その孤独と共存しなければ。というのは、わたしが俳優時代に学んだ事ですが、今にもまあまあ生きているのかな。

前置きが長くなりましたが、福祉の世界との協働で行っている作品「ウタとナンタの人助け」を、ご縁の深い松山の小劇場、「シアターねこ」で上演いたします。
また、翌週には「他分野との連携」をコンセプトに、世界劇団のメンバーとともに、研究発表とシンポジウムを行います。
パネリストのお一人に青年団の平田オリザさんが来て下さる事になりました。
と言いますのは、わたし達が広島で障がいのある人たちと演劇づくりに着手できたのは、こふく劇場の永山さんのお力が非常に大きく、永山さんが長年宮崎で取り組まれている「まあるい◎劇場」の広島公演からの流れなのです。その永山さんが宮崎で取り組まれるきっかけになったのは、平田オリザさんの事業を引き継いだことに端を発していて、20年近いスパンですべてが繋がっているのでございます。
そのことも踏まえて、多分日本でトップクラスにご多忙な演劇人であろう平田オリザさんに、松山まで御足労いだだけないか打診したところ、快諾頂いたわけです。
しかしながら、四国にマーケットをもたない我々、相変わらず集客に苦戦しております。
四国界隈の方々、どうぞ万障お繰り合わせの上お越しいただけることを切に願っております。
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文化庁令和元年度障害者による文化芸術活動推進事業
おきらく劇場ピロシマ 「ウタとナンタの人助け」
日時:2019年12月7日(土) 19:00、12月8日(日) 13:00
上演時間:約40分
会場:シアターねこ (〒790-0806 愛媛県松山市緑町1丁目2−1)
脚本:柳沼昭徳(烏丸ストロークロック) 演出:永山智行(劇団こふく劇場
チケット
【料金】一般2,000円 高校生以下500円 障がい者割 1,000円
※日時指定・自由席・税込
※障がい者割…障害者手帳をお持ちの方対象。介助者はお一人様のみ半額(1,000円)、2人目からは正規の値段となります。
https://www.facebook.com/events/399043701006346/
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[おきらく劇場ピロシマとは…]
2017年に広島で開催された「広場をつくろう」演劇ワークショップ&演劇公演に参加した有志により結成された劇団です。出演するのは、知的障がいや、身体障がいのある参加者と障がいのない参加者です。2018年広島で、おきらく劇場ピロシマが初めて上演した演劇作品『ウタとナンタの人助け』は、全2ステージを満員御礼にて幕を閉じました。終演後、「より多くの方に観劇いただきたい」という再演を望む多くの声をお寄せいただき、現在まで県内3箇所での再演を行ってきました。

本公演はより多くの方に鑑賞いただけることを目指します。
●セリフが聞こえづらい方のために、手元に持てる「タブレットで読む字幕」を用意しています。
●階段の上り下りがこんな方には、介助者がサポートします。事前にご相談ください。
●その他、ご不明点やご心配なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

出演:東圭香、柴田苺、坂本悦子、長澤拓真、坂田光平、木村友香、長畑篤克、礒本直和、増井佑夏、川口隆司、板倉真弓、古志英隆、下垣内律子、森脇姫花、岡本美乃里、山田めい、近藤美咲、多久見勇希、大和なゆた
舞台美術:坂田光平、ぽんぽんのみんな
照明:佐々木正和
音響:藤井友紀
ファシリテーター:山田めい、坂田光平
制作統括:舞台芸術制作室 無色透明
宣伝美術:上村福珠(イラスト)インコ屋デザイン
プロデューサー:岩﨑きえ

広島公演の来場者アンケートより
・今の日本人のせわしい生き方に警告を与えている内容をメンバーさんが生き生きと演じている姿を見て驚きました。(60代女性)
・演劇の力を逆に思い知らされるようでとても愉快、痛快な取り組みかと思います。(30代男性)
・心ほがらかに、やわらかくなる公演でした。誰にでも共通する想いとかやりとりとかそういうところがたくさん見れて嬉しかったです。同じだよねと構えが外れていく公演でした。(40代女性)

【チケットのお申し込み・公演に関するお問合せ】
○認定NPO法人ひゅーるぽん アートサポートセンターひゅるる
TEL(070)5671-8668 (9:00-18:00水・日・祝休み)
FAX(082)831-6889
MAIL hululu@hullpong.jp
HP https://hululu.jp/r1theater/
○舞台芸術制作室無色透明
MAIL  a.p.musyokutoumeiあっとまーくgmail.com
【主催】文化庁・認定NPO法人ひゅーるぽんアートサポートセンターひゅるる
【cosponsor】舞台芸術制作室 無色透明
【協力】シアターねこ 烏丸ストロークロック 劇団こふく劇場 NPO法人子どもコミュニティーネットワークひろしま 変劇団
【後援】松山市 松山市教育委員会 タウン情報まつやま
【助成】文化庁令和元年度障害者による文化芸術活動推進事業

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シンポジウムと研究発表
<演劇×福祉×医療> 連携から生まれる新しい現場  ~演劇でつくる人と人とのアクセシビリティ~
日時:2019年12月13日(金)19:00~22:00
場所:ひめぎんホール別館 第15会議室(〒790-0843 愛媛県松山市道後町2丁目9−14)
入場無料(先着40名までとさせていただきます)
参加お申し込み方法:「電話、FAX、MAIL」のいずれかの方法で事前にお申し込みください。定員になり次第締め切りとなります。
https://www.facebook.com/events/506870259900901/
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第一部 医療・福祉分野の演劇の活用による研究発表
【医療×演劇】発表者/本坊由華子、赤澤里瑛(以上、世界劇団)
【福祉×演劇】発表者/山田めい、坂田光平(以上、舞台芸術制作室無色透明・「おきらく劇場ピロシマ」ファシリテーター)

第二部 現代社会における演劇の有用性と、他分野との連携によるシンポジウム
パネリスト/平田オリザ(青年団)永山智行(劇団こふく劇場)川口隆司(認定NPO法人ひゅーるぽん)

司会進行:岩﨑きえ(舞台芸術制作室無色透明)
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主催:文化庁 認定NPO法人ひゅーるぽん アートサポートセンターひゅるる
共催:舞台芸術制作室無色透明
協力:シアターねこ 世界劇団 青年団
助成:文化庁令和元年度障害者による文化芸術活動推進事業

お問い合わせ・お申し込み先:
認定NPO法人ひゅーるぽん アートサポートセンターひゅるる
〒731-0102 広島県広島市安佐南区川内6-28-15
TEL(070)5671-8668 (9:00-18:00水・日・祝休み)
FAX(082)831-6889
MAIL hululu@hullpong.jp




2019年11月22日金曜日

【協力事業】第七劇場による小さな大人と大きな大人のための名作シリーズ 『赤ずきん』広島公演!

お仕事をご一緒させていただく様になって10年近くなる第七劇場さん。
思えば、第七劇場の「雨月物語」の広島公演を2010年に企画し、広島市東区民文化センターさんの「舞台芸術促進事業」に採択頂けたことで無色透明の事業はスタートしたのです。
広島で全く上演の機会のなかった県外の小劇場作品がこつこつと上演されるきっかけとなりました。今、わたしが極寒のロビーで3日間トータル27時間待機、という環境下でこの記事書いているる理由は、この積み重ねられてきた貴重な演劇事業が危機に瀕しているからなのですが、このお話はまた後日改めて。

今回は子育て支援団体子どもコミュニティネットひろしまさんとの共同企画で、親子で一緒に楽しめるお芝居を持ってきてくださいます。
「世界中の人がこの子のことを知っていますが、実は私たちはこの子の名前を知りません・・?」
上演時間は45分。芸術の秋を一緒に堪能しましょう。
チケットご予約フォームはこちらをクリックください

「赤ずきん」
日時/2019年11月30日(土)
①11:00 ②14:00 ③19:00
会場/東区民文化センターホール
■ チケット
親子ペア 2,800円 (親子ペアは前売のみ)
大人 2,000円 (当日2,500円)
子ども(18才まで) 1,200円(当日1,500円)
(4才以下は無料)
■チケット取扱い
◆NPO法人 子どもコミュニティネットひろしま
TEL 082-231-8015 FAX 082-231-8014(火~土10:00~17:00)
E-mail info@kodomo-net.jp 
◆広島市東区民文化センター窓口 082-264-5551(9時-21時 月曜休館 但し祝日は開館)

ホールの舞台上に舞台と客席をつくります。いつもと違う舞台空間をぜひお楽しみください。

子どもコミュニティネットひろしまシアター事業
東区民文化センター舞台芸術促進事業
広島市補助事業

主催/NPO法人 子どもコミュニティネットひろしま・広島市東区民文化センター
協力/合同会社 第七劇場、(一社)舞台芸術制作室無色透明





2019年11月6日水曜日

【法人化しました】ブログをちゃんと更新しよう。

忙しすぎて、全然回らないことがいくつかあります。
でも、明らかにわたしより忙しいであろう大学教授や報道関係の方がSNSとは違う、意思と筆圧のある文章を、わかり易く定期的に発信されているのを目にするたび、わたしは本当に忙しいのか、と自分が恥ずかしくなります。
特に、文章を発信しなければならないわけではないし、誰からもそんなことを言われているわけではないけれど、自分のやりたいことをやりたいようにやることから卒業して幾年月、仕事の定期報告もできないようではいけないのではないか。口では多くの人に地域文化の振興について、演劇というリアルな現場を知って欲しいと言いながら、わたしは誰にも何にも発信していない、それは怠惰なのではないだろうかと呵責に襲われる日々です。いまやこんなに世の中はSNSですが、広がるようで閉じていく感覚に、未だに馴染めません。だからブログを続けていきたいのだと思います。
案件が重なるにつれ、〆切が近づくにつれ、焦りと不安で落ち着きを失います。動機が収まらなくてなんにも手につかない時もあります。半夏厚朴湯をおまじないのように服してみたり(笑)、ひたすら漂白作業に没頭してみたり。そんな感じで決して自分が強い人間ではないことを知っていますが、それを言い訳にはできず、無色透明のメンバーには口やかましく色々言います。決して同じように苦しめというわけではなくて、出来ないことを補完し合うチームでありたいと思うからです。みんな真面目で熱心だけれど、わたしがとまったら全停止するようであってほしくありません。
制作は一人でもできるけど、一人でやって来なくてよかったと確信します。去年より5年前より10年前より、事業は充実し発展しています。新しい出会い、新しい仕事が増えています。それは本当に運がよかったと感じますし、そして人との巡りあわせに恵まれていたことにほかなりません。つらい事もありましたが、仲間がいたから乗り越えてこれたのだと思います。

ご報告がおそくなりましたが、舞台芸術制作室無力透明は、2019年8月に一般社団法人として新たなスタートを切りました。
純粋に、直向きに、高品質なパフォーミングアートの鑑賞支援と創作支援、そして他分野にわたって演劇を仕事として行える人材の育成、演劇で社会参画するための事業を継続・発展させていく為です。

完全にお知らせする機会を逸していたのですが、昨日事務所ミーティングで、「全員一回初心に立ち返って、プロジェクトマネジメントをできるように気合を入れなおそう」という会を開き、わたし自身も襟を正した次第です。それとたまたま今日誕生日なので区切りと願掛けの意味も込めて。
忙しいさを言い訳に、目の前のことをこなすことだけしかできなくなるのはやめよう。
時間はあるかないかじゃない、作るか作らないか。
より大きな目標を達成するために、明日できる事をちゃんとやろう。足りない部分はチームで補い合おう。
来年の今頃は、今よりきっといい感じになっているように。


相変わらずの自転車操業ですが、スタートを切った以上、今以上に邁進していきます。むこ3年のうちに自転車操業を脱することを目標に。
その為にもちゃんとブログは更新します。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人 舞台芸術制作室無色透明
代表理事 岩﨑きえ