2018年7月5日木曜日

【事業】福祉&演劇セミナーのご案内。演劇を社会に役立てるということ

一昨年より、無色透明の新たな事業活動としてはじめた、障がいを持った方たちと創る舞台芸術活動を今年度も継続してまいります。
残念ながら今年度は、この事業に対しての公的助成は下りなかったのですが、過日「認定NPO法人」となられたひゅーるぽんさん(NPO法人の中でも「より客観的な基準において、高い公益性をもっている」ことを判定された団体のみが認定されるもので、全体の2%しか認定が下りないそうです)と、「せっかくともした灯を消さないよう、ちいさくても続けましょう」という意思を確認し合い、協力し合いながら行っていこうと思います。

30歳を過ぎて、なんだかんだあっても演劇を続ける道を選んだにあたり、自分たちがやりたいように、やりたいことを、知り合い同士中心に演劇をやっていくことは、演劇が社会に果たす役割や責任を担えていると言えないのではと感じ、それが地域で演劇活動が市民権を得られないことや、プロフェッショナルとして認識されない要因でもあるのではないかと考えることが多くなりました。
自分たちができることが演劇ならば、その演劇を以て社会に還元することを、社会に出て演劇をするようになって強く感じ、福祉の現場でそのことを実感できたことは、わたしにとっても大きな喜びでした。同時に、さらなる責任感を感じています。
まだまだ暗中模索の日々ですが、研鑽を重ねてまいりたいともいます。

それにあたり、我々がほぼ我流で行っていることに対し、その道の先駆者である方を広島にお招きし、お話や、研究発表についてディスカッションに参加いただく機会を設けました。
福祉関係や学校関係の方々にはもちろんですが、広島で演劇をしている人たちに、ぜひ参加いただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

2018年7月12日(木)
広島市東区民文化センター ロビーギャラリー
参加費 1,000円
第1部:13:00~15:00【講演 「可能性の芸術」について】
第2部:17:30~19:30【研究発表・ディスカッション】山田めい・坂田光平

講師:吉野さつきさん(愛知大学文学部教授)
英国シティ大学大学院でアーツ・マネジメントを学ぶ。公共ホール勤務、英国での研修(文化庁派遣芸術家在外研修員)後、コーディネーターとして、教育、福祉、ビジネスなどの現場でアーティストによるワークショップを数多く企画。アウトリーチ事業やコミュニティアーツプログラム、ワークショップ等の企画運営を担う人材育成にも各地で携わる。障害と芸術に関わる調査研究として日本財団パラリンピックサポートセンターとの共同による「障がい者の舞台芸術表現・鑑賞に関する実態調査報告書」「障がい者による舞台芸術活動に関するケーススタディ調査」(2106年)がある。2017年度より厚生労働省の障害者芸術文化活動普及支援事業評価委員。
ゲスト:永山智行さん(劇作家・演出家)
1967年生れ。劇作家、演出家。劇団こふく劇場代表。
2001年『so badyear』でAAF戯曲賞受賞。
同作をはじめ、戯曲は劇団外での上演も多く、2005年に東京国際芸術祭参加作品として書き下ろした『昏睡』は、2009年には、青年団の中心的俳優、山内健司・兵藤公美の二人芝居として、神里雄大(岡崎藝術座)演出により上演された。また地点の演出家・三浦基との共同作業として、『お伽草紙/戯曲』(劇団うりんこ・2010)、『Kappa/或小説』(地点・2011)の戯曲も担当した。
2006年10月から約10年間、公益財団法人宮崎県立芸術劇場の演劇ディレクターを務め、九州の俳優を集めてのプロデュース公演「演劇・時空の旅シリーズ」を企画・演出するなど、地域における演劇の質の向上と、広がりを願い活動している。
2018年、代表を務める「劇団こふく劇場」が平成30年度宮崎県地域づくり大賞受賞