2025年6月11日水曜日

【公演を配信でご覧いただけます】「そして羽音、ひとつ」ツアー終了しました。



色々後が大変ではありますが、三重県・愛媛県ツアー無事終了しました。

たくさんの方のご理解、ご協力、そしてお客様のおかげて走り切ることが出来ました。本当にありがとうございました。 

電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」にて6月22日まで、配信チケットを販売しております。

https://engeki-hiroshima.zaiko.io/e/artincubation

(チケット料:1,000円 配信手数料:135円)

※クレジットカードでお支払い頂く場合、カード会社によっては、セキュリティに引っかかり決済不可ものが一部あります(テスト済)申し訳ありませんがその場合別のカードをご使用ください(>人<)

どうぞ、よろしくお願いいたします。










2025年5月17日土曜日

【令和7年度芸術文化振興基金内定取下げからの手打ちツアー、来週末開演します】

 



わたしの病気の最中の申請時期だったこともあって、蓋を開けてみると手配が間に合わない事が多く変更せざるを得ない文言が発生し、わたしの力の至らなさなど事情は色々ありますが、最終的に「地域文化交流の振興と若手育成に関わる骨子にはなんら影響しない」というこの事業で最も重要な事をプログラムオフィサーとちゃんと話をさせて頂けず、取下げの指令に至った事は遺憾です。
とはいえ、「助成金がおりなかったので企画は無かった事に」という事は後にも先にもやらない事を課しているので、もちろん企画は続行です。
そうまでしても、今回は絶対に遂行したいという想いがあります。わたしの演劇人生に大きく関わるエッセンスがいっぱい詰まっているからかもしれません。
今回作品を提供くださった山岡徳貴子さんとの出会いは2004年。わたしが26歳の時です。山岡さんの劇団「魚灯」による「のちの白鬼」という1人芝居山口公演の受入制作を担当させて頂きました。


すっかり魚灯ファンになったわたしは、そこから魚灯の公演を観るためにせっせと京都・大阪に通う日々でした。
劇団を退団した翌年、その「魚灯」の東京芸術劇場リージョナルシアターシリーズリーディング公演部門参画作品「静物たちの遊泳」の劇団制作担当に声をかけて頂きました。


どうしても参加したくって、生まれて初めて就職した正社員の会社を1年で辞めて東京に行きました。

同年、2007年わたしは岡山の真庭市で、第七劇場の「班女/葵上」を観劇した事をきっかけに鳴海さんと出会いました。29歳の時ですね。

さらに翌年、リージョナルシアターシリーズリーディング部門で最優秀を獲得した魚灯の東京での本公演製作「着座するコブ」に演出助手として加わらせて頂きました。

怒涛。
怒涛の20代後半でした…。
この年、青年団プロジェクトの「隣にいても一人〜広島編〜」のオーディション合格、出演を境に役者をやめ、「C.T.T.広島」の発足を機に本格的に制作の活動を始めました。

2010年に「舞台芸術制作室無色透明」を立ち上げ、同年、第七劇場の広島初公演「雨月物語」を実現させました。


東区民文化センターでのゲネプロが小雨で、反野外の環境最悪だったんですけど、その悪環境さえも「雨月物語」という作品名に集約していく、役者たちの姿が美し過ぎて…後に藤井さんが「髪の毛の先まで演劇美にコントロールしている」と称賛した木母さんのお芝居を、わたしは今でも鮮明覚えています。


ここから約7年間、第七劇場の広島公演は続きます。

2016年、「無色透明赤字補填公演」の名目で山岡さんの「のちの白鬼」の公演を上演させて頂く事となりました。
山小屋シアターでの10日間公演。
どうせやるなら自分が役者時代、1番やりたかった作品をやろうと思ったことがきっかけです。
翌年、この作品を宮崎県三股町で再演させてもらうというミラクルが起きます。
ことの顛末については、取材してくださったkitaya505の情報サイト「mola!」に網羅されていますわ(笑)

2017年の第七劇場の広島公演「人形の家」の幕間で鳴海さんとふと話した「地域の新進アーティストの国内留学事業」が今回の企画に繋がるスタートでした。
歴史はこちらに全て記載しています

昨年度山岡さんの「そして羽音、ひとつ」がOMS戯曲賞を受賞した事は自分の事より嬉しかった。そして「この作品を上演したい」という気持ちが沸々と湧きました。
ちょうど(わたしの病気療養で中断していた)来年度のイノベーティブ公演の企画の仕切り直しをどうするかという話の最中に、鳴海さんにこのご相談をしたところ速攻で戯曲を読んでくださって、良いですね!と言っていただき、実現に至りました。(この「仕切り直し」の変更内容が、芸術文化振興基金に認可されませんでした)
各地の出演者に関しても、数年前、偶然広島公演の受け入れが決まった四国の若手劇団「片隅企画」との繋がりが続き出演者が決まり、「劇王中国」への参加がきっかけで無色透明の山田や藤井と交流が続いていた藤井君の参加など、たくさんの一期一会が繋がっています。
チラシのイラストは、前述した「隣にいても一人」の広島編出演がきっかけで出会った、当時上演劇場の山小屋シアターの管理団体にいた盟友、末田晴が描いてくれました。(めちゃくちゃ厳しい納期にも関わらず、快諾してくれて、時間を削って描いてくれた(涙))
こんな変遷を経て、20代の頃に出会ったお2人との繋がりが結実した今回の公演、正直運営はめちゃくちゃ苦しいです。
でもどうしてもやりたい、と思ったんです。その時昔、鈴木忠志さんに言われた「自分のやりたい事ができないのはプロじゃない」っていう言葉を思い出しました。
ご興味がある方はこちら

そして、先日「侍タイムスリッパー」の監督安田淳一さんのドキュメントインタビューを観ていて「やっぱりやるって決めて良かった」改めて思いました。
ちょっと話がそれますがこの映画の主演の山口馬木也さんは、全然違う時代劇のバイプレイヤーで観ていて(ここ数年、日曜日の朝に小鳥とマイナーな時代劇を観るのが習慣(笑))良いなあ、と思っていた俳優さんでした。
山口さんがインタビューで侍タイムスリッパーの撮影が押してしまい、決まっていた舞台やテレビの仕事を断らないといけなくなって、「もう二度とNHKからの仕事はもらえないかもしれない」と覚悟したとお話しされていました。「今考えても恐ろしい、どうしてあんな事ができたんだろう」とおっしゃっていたのが印象的でした。
「一生懸命やっていけば絶対誰かが見てくれている」
わたしもこの精神を失わずに、邁進していこうと思います。

きっと良い舞台になります。
少し遠いですがぜひ観に来てください!
(配信もする予定です)

~Innovative Incubation of Regional Arts~地域間新進芸術交流普及促進事業2025

「そして羽音、ひとつ」
作:山岡徳貴子(魚灯)
演出:鳴海康平(第七劇場)
出演:木母千尋(第七劇場)、宮地綾  椙田航平、藤井タツキ(カクウノ劇団)、福島優菜(片隅企画)
照明:佐々木正和(舞台芸術制作室無色透明)
音響:高橋克司(東温音響)
制作:溝部めい
舞台スタッフ:坂田光平
宣伝美術:橋本デザイン室
イラスト:末田晴
協力:片隅企画
共催:東温アートヴィレッジセンター(愛媛公演)
後援:東温市(愛媛公演)
プロデューサー:岩﨑きえ

【三重公演】
Théâtre de Belleville
三重県津市美里町三郷2104
2025年5月24日(土)14時、18時30分、25日(日)14時
チケット料金
一般 - 2,500円(当日3,000円)
25歳以下 - 1,000円(当日1,500円)
60歳以上 - 2,000円(当日同額)
高校生以下 - 500円(当日同額)

【愛媛公演】
東温アートヴィレッジセンター シアターNEST
愛媛県東温市見奈良1125 レスパスシティ/クールスモール2F
2025年5月31日(土)14時、18時30分 6月1日(日)14時
上演時間 約2時間

一般 - 3,000円(当日3,500円)
25歳以下 - 1,500円(当日2,000円)
60歳以上 - 2,000円(当日同額)
高校生以下 - 500円(当日同額)

配信チケット料金※詳細は後日HPでご案内いたします
1,000円
配信予定
6月10日〜6月20


2025年4月19日土曜日

今年度もスタートしました

 昨日は2025年度の社員総会。



「コレホントに全部やったの?」という2024年度の事業報告と「もはや事業カレンダー炎上してない?」という今年度のスケジュール。2025年度の無色透明はすでに飽和してます。

しかし、「仕事があるだけありがたい」と思います。

「演劇やってます」「制作やってます」という事は簡単だけど実際やってることがない、というのは精神的にかなり辛い。事実、2007年に広島に戻ってすぐのわたしはそんなもんでした。何も演劇に関わることがなくただバイトをする日々に虚しさを感じる。それを埋めるためにわたしがした事は「テアトロを読みまくる」「演劇を観まくる」という自主活動でした。仕事も無ければお金もない。今思えば、孤独で苦しい日々だったと思います。

そんなわたしに転機を与えてくれたのは京都のアトリエ劇研(当時)のプロデューサーの杉山さんと、魚灯の山岡さん、そして山小屋シアターでした。

わたしの宝は、未だにその全てとの関わりが生きているという事だと思います。本当にわたしは運が良い。

時を経て、自身の団体を主催し、6名のメンバーが苦楽を共にしてくれています。総会では改めてその事を実感し感謝しました。

わたしだけがどうにかなることに今や微塵も興味がありません。わたしより若い彼らが、「必死に演劇をやって来た」ということに誇りが持てる未来をわたしは創りたい。

障がいのある子どもと大人たちと共に歩む事業「おきらく劇場ピロシマ」メンバーの山田めいがヤマト助成金の採択に尽力してくれたおかげで今年も継続できます。



来年度は楽したい。マジで本音ですが、10年前にはできなかった事が次の年では実現し、一昨年度できなかった事が昨年度できたりと、ゴリゴリの草の根活動自転車操業でも、前進が続く限り、わたしは仲間たちと演劇を続けていくのだと思います。


2025年4月3日木曜日

久しぶりに文房具のお話

 

昨今手書きで何かを書く機会はめっきり減りましたが、筆記具が大好きです。

シャープペンシルが必需品の仕事でなければ、大人になってから日常でシャープペンシルを使う人は少ないとは思いますが、とにかくコレはめちゃくちゃ書きやすいです。

ぺんてる タフシャープ 0.7mm 

仕事でシャープペンシルを使う人には、全員におすすめしたい逸品です。

測量士の試験勉強の時にデルガードやオレンズなど様々なシャープペンシルを使用してきましたが、一度この太芯の使い心地を知ると0.5には戻れないかも。。。。

2025年3月27日木曜日

なくしたネックレスと帰ってきたブレスレット

 今月の初頭ですが、愛用していたネックレスを紛失しました。

わたしは物にパワーを頼るタイプの人間なので、あまり多くのものは持たず気に入ったものをずっと身に着けています。ペンやノートにこだわるのも同じ理由ですね。

現場頑張った自分ご褒美に買った代物を、大変な現場の前日に紛失、気づいてすぐ警察に届けましたが、道に落ちてる貴金属届けてくれる人なんてそうそう居ないわな・・・。次の日から修羅場の現場だから自暴自棄になる事も出来ず「ネックレス 落とした」をGoogle検索してしまう病んだ一日を送ったのでした。


すると大体上記のようなものや「身代わりになってくれた」などのスピリチュアルなアンサーが返ってくるんですよね(謎)
まあものにパワーを頼っているわたしが言えた立場じゃないか。
ほぼ無傷で生還の脳梗塞の代償だとしても請求遅くね・・・???というわけで「誰も怪我せず嫌な思いせずこの現場を乗り切れる代償」と思うことにしたのでした。

とはいえ、お気に入りをなくすのはメンタルダメージ大きいです。
わたしは別にブランドが好きとかではなく(そんな身分じゃないし)、ステイタスを求めているわけでもないのですが、アクセサリーを買う理由としては「遺産として遺せるから」が一番大きな理由です。
演劇なんか続けていけば、わたしにまとまった遺産なんてのこせるはずもないので、そこそこのものであれば、売ってもらえれば小銭くらいは、みたいな心境。
「普通にお金で残せよ」と思われるかもしれませんが、それこそ事業を行うたびに40~50万円くらいは自費で都合できるような状態にしておかないといけない環境下に常にあると(助成金の立替などならまだしも、帰ってこない場合だってある)、あれば湯水のように演劇にお金を使ってしまうだけ。いわゆる残念ガールなのです(ガールではないが)。そんなこんなで余剰なお金なんて残す気になれない。安全に2人分暮らしていける分だけあれば十分です。
お金使ってばかりの演劇で、ここぞと頑張った分はせめてかわいいものに形を変えて身近に置くくらいのわがままは許してほしい、買った時値段には及ばないにしても、居なくなったら遠慮なく売りさばいてくれ、と思っています。

スピリチュアルを信じているわけではないですが、手放そうかとちらと考えていたのも確か。
なくしたネックレスは六芒星のデザインで、わたし的には「男女平等」の願いを込めていたのですが、どうしてもそのモチーフが、国家や宗教的な意味合いを包括してしまうものであることが、ガザ侵略移行気にかかっていました。
そこそこしたネックレスだから、そこに在るのに新たなものを買うことなんてしなかっただろうし、なくしでもしない限りは手放せなかったかもしれない、あ、これが執着からの解放なのかな?と下ばっかり見て歩くのをやめました。

というわけで、新たなお気に入りに出逢う日を夢見て、こつこつかわいいもの貯金に励むため明日も働こうと思います。とほほ。

ちなみに昨日は、退職する派遣さんとのランチ会のあと、ワークショップに行く途中ブレスレットを落としました(あり得ねー)同じ月内でそれはないだろ!と気づいた瞬間から来た道のりを自転車爆走、地元ならまだしも広島市内の超ド真ん中で見つけられるか生きた心地がしませんでしたが、自転車を停めたパルコ前の屋外駐輪場で奇跡的に救出しました。どっと疲れた30分でした。

このブレスレットは落とすの2回目・・・。1回目は会社のあるビル内で拾った人がビルの出入り口に設置してあるアルコール消毒台に置いていてくれたミラクル(ありがとうございました!とポストイットで書置き残しました)。2回目なくすと戻ってこないとも聞いていたのですが、ぎりぎり帰ってきてくれました。こんなこともあります。が、さすがにしばらく着けるのやめとこうか、と怖気づいています(苦笑)

2025年3月20日木曜日

とりあえず元気です

 今年度の主な事業を終え、翌週再入院。

右心房と左心房の間の膜に空いてしまっている卵円孔を塞ぐためのPFO閉鎖術に臨みました。が、結果としては残念ながらうまくいきませんでした。

11ミリの孔を25ミリのディスクで挟んで塞ぐ、という手術だったのですが、理論上ありえないことですが、わたしの場合、何度試してもディスクが孔を通過してしまい、固定ができなかったそうです。

そのまま無理にディスクを心臓に留置すると、心臓内で脱落し死に至る危険性が生じたため、手術を中断するという結論に至ったそうです。

どうして孔を通過してしまうか原因は不明とのこと。(推察はお聞きしましたが)大学病院の先生も初めて遭遇するケースだったそうです・・・まさか自分の身の上にそんなレアケース降ってくるとはなあ・・・宝くじとか買っとけば高額当選する人の方に入れたんじゃないかしら。。

というわけで、心臓の穴は空いたまま残りの人生を送る運びになりました。各所にご心配をおかけしておりますが基本的には元気です。ただ次に血栓できて心臓に飛んだらアウトの可能性が爆上がりしてしまったので、塩分摂り過ぎるとか脂質過多になるとか糖尿になるとか、血液がどろどろになりそうな身体状態を防ぎ、血液さらさら人生を心がけまーす。

こふく劇場の永山さんから差し入れで頂いた都城産の薬膳スープの素💦美味しくいただきました!!



2025年3月12日水曜日

山小屋シアターふゆの演劇まつり、無事終了しました



 山小屋シアターふゆの演劇まつり、最終公演は満席で終えることができました。

本当にありがとうございますm(_ _)m

素敵な仲間たちとの出会いに感謝の日々です。

「IIRA2024」に寄せさせて頂いた文章をこちらに掲載させていただきます


「諸事情で『まさに家計は火の車』状態の今年度の舞台芸術制作室無色透明ですが、2018年からスタートしたこの事業を、なんとか今年も実施できたことに感謝申し上げます。

この企画は、アーティストインレジデンスの手法で創作を行います。

いつもは生活の合間にしている演劇を、演劇の合間に生活する日々。共に生活しながら毎日毎日、寝ても覚めても稽古です。

最近は、滞在稽古にチャレンジしてみようという若手に出逢うことが少なくなってしまったので、この企画をいつまで続けられるかわかりませんが、広島に他にこういう企画がない以上、第七劇場さんのご協力が得られる限り続けたいと思っています。

最近、自分に残された時間で、後進になにが残せるだろうということを時々考えます。わたしの場合は自分の前に道がない状況で進んできたことが多かったし、相談できる先輩も広島にはいなかったため、随分時間がかかってしまったり、しなくてもいい失敗したりしてきました。それでも諦めずにこの道に残る事ができたのは、人とのつながり、出会いがあったからだと思います。もし今日ご来場いただいた方の中に「自分もこの企画のような環境で創作に臨んでみたい」という若い俳優、演出家、劇作家の方がいらっしゃったら、遠慮なく声をかけてください。意欲が報われず、演劇を続けることを諦めるしか選択肢がなくなってしまう事態を少しでも未然に防チャレンジと出会いが未来につながる機会をわたしは残したいと考えています。

この企画での出会い、繋がりが今回チャレンジしてくれた若い彼らの未来のなにかに役立つことを願ってやみません。

どうか最後まで、お楽しみ頂けたらと思います。

プロデューサー 岩﨑きえ」

さあ・・・・芸文の報告申請だ・・・・。

2025年2月11日火曜日

「生きづらさ」という言葉で片付けたくない



 わたし達無色透明はここ数年、演劇を通じ「障がい」とそれを取り巻く社会に向き合い学んでいます。

彼らは医学的には「障がい者」とカテゴライズされているかもしれないけれど、ひとたび「表現」のフィールドで共生すると、長年演劇をしてきた我々を凌駕する感受性を発揮する瞬間があります。

わたし達はどんなにがんばっても本当の意味で障がいのある方達の立場になることはできません。演劇というフィクションで彼らを描くことはどこかタブー視されているテーマの一つだと思います。今回この企画で脚本を手がけた山田めいは、あえて障がい者を障がい者として描くのではなく、「もしわたし達が障がい者とカテゴライズされる社会だったら」という視点でこの作品を描いています。

https://www.facebook.com/share/1BmRmLXKef/?mibextid=wwXIfr

それは長年、彼女自身が彼らと寄り添う中で「合理的配慮」という社会通念への違和感や煩悶を顕しているように思えます。

現代社会は多くの「基準」に溢れ、そこからこぼれる人たちは「異なるもの」という属性を与えられ配慮されるべき対象とみなされます。もちろんそれらは時に彼らの助けになっていることに異論はありません。しかし、世の中の多くのそれらは「こちら側」の理論に過ぎない、という危険性を孕んでいる、とわたしは常に自分に言い聞かせています。

「合理的配慮」という日本語が生まれ、それらは善行としてオフィシャル化されています。わたしは演劇を行う人間としてこの「合理的配慮」という言葉に連なる行為を、時に信じ時に疑い続けたいと思っています。

他者の立場になって、考え、感じる。合理的にそれらに配慮することは本来とても難しい事です。しかし「演劇」とは本来それらを世界に立ち上げる役割を担う表現芸術です。そこに可能性を感じています。しかしそこには「合理性」は介在しません。あくまで非効率的、非経済的に、人との繋がりを重視することに重きをおいています。この言葉がただの社会機構となってしまわない事を願ってやみません。

彼女の描こうとする世界にはいま、演出とエキスパートの役者と若い役者が共に挑んでくれています。

夜明け前、開花前。

暗中模索の中にある彼らに対すると、プロデューサーなんて無力なもので、彼らを応援し励ますことしかできません。

しかしきっと、この座組なら成し遂げてくれると思っています。

「本当に困りません、って僕が言われてきたとしたら、それは、はかりかねます」

名古屋公演予約フォーム

広島公演予約フォーム

作 山田めい [舞台芸術制作室 無色透明]

演出・構成 鳴海康平 [第七劇場]

出演

井田真裕 [お庭のなまたまご]

木母千尋 [第七劇場]

椙田航平

堀慎太郎

安尾琢杜

​広島公演

2025年

3月1日(土)14:00 / 19:00・2日(日)14:00

※受付は、開演の30分前スタート

山小屋シアター

〒733-0011 広島県広島市西区横川町3-12-3 アンゴラビル3F​

チケット料金

一般前売 3,000円(当日3,500円)

25歳以下前売 2,000円(当日2,500円)

高校生以下(前売・当日共)500円

65歳以上(前売・当日共)2,000円

広島配信チケット1,000円

舞台美術・音響・照明 今井歩、山田瑞希 [名古屋芸術大学舞台芸術領域]

照明補佐 佐々木正和 [舞台芸術制作室 無色透明]

配信・映像編集 合同会社Shape

チラシ写真:川本理壱

宣伝美術 橋本デザイン室

舞台スタッフ 坂田光平 [舞台芸術制作室 無色透明]

プロデューサー 岩﨑きえ [舞台芸術制作室 無色透明]


2025年2月10日月曜日

【山小屋シアターについて】山小屋シアターふゆの演劇まつりのご案内

 3月1日の地域間新進芸術交流普及促進事業2024と翌週の劇団こふく劇場 プロデュース公演とをあわせて「山小屋シアターふゆの演劇まつり」を行います。


山小屋シアターは、わたしが広島に戻ってきて出会った、わたしが育ったちいさな劇場です。無色透明の拠点事務所が近所になったのは本当に偶然でした。

長年、わけあって休眠していましたがコロナが終息を迎え始めたころ、「あの頃のみんなが頑張って作った場所だから演劇が出来る場所として残したい。やってみないか」というオーナーさんのお気持ちに感動し、去年度から無色透明のもう一つの拠点とさせて頂いております。

雑居ビルにある民間のスペースなので、気を配らないといけないこともたくさんありますし、場所の管理運営はとにかく大変・・・ただでさえ事業に追われまくっている無色透明スタッフ達にあまり負担をかけたくはないとは思いながらも、広島に戻ってきて、演劇はやりたいけど右も左もわからない、という状況でこの場所と出会い、育ててもらった経験とご恩返しがしたいと思いました。

微力ながら広島でそういう役割を担っていける場所にしたいと思っています。(なので、基本貸し館事業はしていません)「空いているから使う場所」ではなく、「ここに来ればいい作品に出逢える」広島の人たちにとってそんな場所に出来たらいいなという願いからです。

3月1日、2日の第七劇場との作品に続き、3月8日は、宮崎のこふく劇場、熊本の劇団きらら、そして無色透明との協働事業です。無色透明からは小林冴季子が客演させていただいています。

お得な通しチケットございますので、ぜひ両作品ご覧頂きたいです。

山小屋シアターふゆの演劇まつり通し券 4,500円

劇団こふく劇場 プロデュース公演♯31 わたしの文庫シリーズvol.1 わたしの「銀河鉄道の夜」

劇団35年目の新シリーズは、近現代の男性作家が書いた文学作品を、現代の女性劇作家・演出家が読み直す企画。その第1弾として、長年、九州の演劇界をリードしてきた、熊本の劇団きららの池田美樹氏を演出に迎え、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を読み直し、現代の「ほんとうのしあわせ」を考える旅に出たいと思います。

​貧しい少年ジョバンニは、幼なじみのカムパネルラと銀河鉄道に乗って旅をする……

原作:宮沢賢治

作・演出:池田美樹[劇団きらら]

出演:濵沙杲宏 有村香澄 池田孝彰[劇団こふく劇場] 野辺智聖[サラみやざき] 日髙啓介 小林冴季子[舞台芸術制作室 無色透明]

チェロ演奏:浜砂なぎさ

日時

2025年

3月8日(土) 14:00 / 19:00

3月9日(日) 14:00


チケット〈日時指定全席自由・税込〉

一般 前売2,500円 (当日3,000円)

U25割(25歳以下) 2,000円(前売・当日共)

やさい割2,000円(前売のみ)

ギフトチケット前売3,000円(当日3,500円)

高校生以下 無料(要予約)

※未就学児入場不可


※U-25割は、公演当日に25歳以下の方が対象となります。(公演当日証明提示)

※やさい割は、ご家庭で収穫された野菜を上演日にご持参くださる方が対象です。

※ギフトチケット:高校生以下の子ども達が無料で観劇できるよう、その分をおとなが負担する、おとなが子ども達の観劇を支援するチケットを用意しました。劇場が、社会の中でお互いを支えあう事を実感する場となればと願っています。

チケット取扱い

◉ 舞台芸術制作室無色透明  予約フォーム 

◉ カルテットチケット  予約フォーム 

◉ ローソンチケット  https://l-tike.com/  [Lコード:63109]


音楽:浜砂なぎさ

美術:濵沙杲宏

照明:川田京子[ユニークブレーン]

音響:田尻穣

衣裳:池田美樹[劇団きらら]

宣伝美術・写真:グンジキナミ

制作:有村香澄・髙橋知美[キューズリンク] /舞台芸術制作室​ 無色透明(広島公演)

芸術監督:永山智行

主催:合同会社こふく劇場/一般社団法人舞台芸術制作室無色透明

助成:芸術文化振興基金助成事業

お問い合わせ:劇団こふく劇場(合同会社こふく劇場)





2025年2月8日土曜日

【名古屋公演と広島公演】地域間新進芸術交流促進普及事業2024

 「本当に困りません、って僕が言われてきたとしたら、それは、はかりかねます」




2018年くらいから第七劇場無色透明で行なっている協働事業も7年目になりました。半ば公共事業のような企画ですが、地域で意欲を持って演劇に取り組む若い俳優の、作家の、演出家の未来のなにかに繋がればと、コツコツコツコツ続けております。

今回は初めての名古屋公演を行います。

是非ともお運びいただければ幸いです。

あ、今回は広島公演の配信チケットもあります


⭐️地域間新進芸術交流普及促進事業について

この企画は、本番前の短期間、三重の第七劇場の本拠地「Théâtre de Belleville(テアトル ドゥ ベルヴィル)」という劇場にて、生活をしながら創作をする「アーティスト・イン・レジデンス」の手法で行います。経験豊富なアーティストと新進気鋭のアーティストが、共にプロの演出家のもと「ぎゅっ」とした濃密な時間の中で創作を行います。コロナ禍で、経験が希薄な若手が増えている今こそ、この企画を途絶えさせてはならないと考え、新人アーティストの「革新」「孵化」の機会となる事を願い「Innovative Incubation of Regional Arts(イノベーティブ インキュベーション オブ リージョナルアーツ)」と名称を新たにして2021年からリスタート。今回は山田めい の台本を演出の鳴海さんとブラッシュアップし臨みます。

名古屋公演予約フォーム

広島公演予約フォーム

あらすじ

『タコ。は足が8本ある、海に暮らす、とても柔らかい生き物です。タコは「蛸」と漢字で書きます。虫という漢字に、消えるを合わせると蛸となるのです。虫が、消える、とは一体どんな意味なのかご存知でしょうか。話は恐竜がまだ地上に暮らしていた白亜紀まで遡ります。その頃タコは陸上に暮らし、主に木の上で生活をする昆虫類だったと考えられています………』

ことばの読み書きが難しい高山は、会社の支援枠で働いている。高山の仕事は毎日シュレッダーで会社の機密書類や会議書類を粉砕すること。会社で交わされる同僚や上司の会話の文脈を読み取ることは難しく、会話に混ざることができない高山は、自分の仕事を黙々とこなす。高山は、ことばの習得をするために中学生の時から「ことばのノート」をつけている。「ことばのノート」には、高山が時間をかけて書いた、短い物語やことばの説明が綴られていた。

作 山田めい [舞台芸術制作室 無色透明]

演出・構成 鳴海康平 [第七劇場]

出演

井田真裕 [お庭のなまたまご]

木母千尋 [第七劇場]

椙田航平

堀慎太郎

安尾琢杜

舞台美術・音響・照明 今井歩、山田瑞希 [名古屋芸術大学舞台芸術領域]

照明補佐 佐々木正和 [舞台芸術制作室 無色透明]

配信・映像編集 合同会社Shape

チラシ写真:川本理壱

宣伝美術 橋本デザイン室

舞台スタッフ 坂田光平 [舞台芸術制作室 無色透明]

プロデューサー 岩﨑きえ [舞台芸術制作室 無色透明]

【名古屋公演】

2025年

2月22日(土)13:00 / 18:00・23日(日)13:00

※受付は、開演の60分前スタート

G/PIT

〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄一丁目23-30 中京ビル1F

 

チケット料金

一般前売 2,500円(当日3,000円)

25歳以下前売1,500円(当日2,000円)

高校生以下(前売・当日共)500円

65歳以上(前売・当日共)2,000円

【広島公演】

2025年

3月1日(土)14:00 / 19:00・2日(日)14:00

※受付は、開演の30分前スタート

山小屋シアター

〒733-0011 広島県広島市西区横川町3-12-3 アンゴラビル3F

チケット料金

一般前売 3,000円(当日3,500円)

25歳以下前売 2,000円(当日2,500円)

高校生以下(前売・当日共)500円

65歳以上(前売・当日共)2,000円

クレジット決済、QR決済(PayPay等)をご利用いただけます。

山小屋シアターふゆの演劇まつり 通しチケット 4,500円

※こちらのチケットを購入いただくと、2025年3月8日(土)〜9日(日) 山小屋シアターにて開催される『わたしの「銀河鉄道の夜」』(劇団こふく劇場 プロデュース公演♯31 わたしの文庫シリーズvol.1)をお得に鑑賞いただけます。

 

広島公演の配信予定 2025年3月10日~3月17日予定 配信チケット1,000円

お問合せ

メール info.musyokutoumei@gmail.com

主催 一般社団法人舞台芸術制作室無色透明

協力 合同会社第七劇場 広島アクターズラボ お庭のなまたまご

助成 令和6年度芸術文化振興基金


2025年2月7日金曜日

死線を超えて

 すっかりご無沙汰してしまいました。

実はディディエ公演以後の、昨年の11月、奇しくも脳梗塞を患いました。

コレステロール値が高いわけでもなく血圧が高いわけでもなく、健康診断の結果はほぼA判定のわたしにはまさに寝耳に水。

検査の結果、先天性の心臓疾患によるものだとわかりました。

生まれて初めての2ヶ月の完全療養期間、「これが老後か。。」と思いました。

幸いパートナーの通報が早く塞栓性脳梗塞という、重篤な麻痺が残る確率もしくは死亡率が高いと言われることもある種の脳梗塞にもかかわらず、奇跡的に麻痺も認知機能障害もなく生還しました。

「これは麻痺が残るかも」という当初の診断結果を蹴散らし、禁酒禁煙の入院生活に耐えきれず、異例の速さで退院しました(当初4週間の入院を言い渡されましたが、「無理!!」と自主リハビリ(という名の筋トレ)に励み、ナースステーションで「ドラゴンボール」とあだ名される患者でした)

とはいえ、脳の障害(ダメージ)は残っているらしく、人混みや長時間の緊張状態にあると、眠気や頭痛が起こります。(幸い時間とともに回復するそうです)

ちょうど来年度の芸文の申請時期であったり現場の予定もあったりで、どうすりゃいいの?!という状況でしたが、無色透明スタッフ達が「絶対現場に来ないで!」とサポートしてくれました。

年明けからは社会復帰していますが、まだ心臓の治療が残っているので、徐々に、という感じです。

来月はまた入院です。