久しぶりの演劇公演事業です。
この状況下ですから、不安の中手探りしながら、右往左往していますが、それでも稽古の現場で、刺繍のように一針一針、作品が白いキャンバスに縫い込められていく様をみると、完成したものをお客様と共有する空間を創りたいという気持ちがふつふつと湧いてきます。
わたしは演劇くらいしかできないけれど、危ないから、なにかあっちゃいけないから、となかった事にしてしまう事、はじめから取り組まない事だけが正義、ではないはずという事を問い続け、可能性を探り続ける事を、この道でしていきたいと思っています。
本公演は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じた上演となります。
【三重公演】2020年
11月22日(日)14:00、19:00(※映像配信の為の上演)
11月23日(祝)14:00
Théâtre de Belleville
三重県津市美里町三郷2104
●チケット料金
【三重公演】※前売り当日とも
一般 2,500円
U25 1,000円
美里割 1,000円
U18、劇場支援会員 無料
●お申し込み先
カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/residence2020mie
【広島公演】2020年
11月27日(金)19:00
11月28日(土)14:00、19:00
11月29日(日)13:00
広島市東区民文化センター スタジオ2
広島市東区東蟹屋町10-31
●チケット料金
一般前売り 2,500円(当日3,000円)
U25前売り 2,000円(当日2,500円)
高校生以下 1,000円(前売り・当日共)
●お申し込み先
カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/residence2020hir
※新型コロナウイルス感染拡大防止対策に伴い、受付・開場とも開演30分前とさせて頂きます。
瀬戸内の街。
今日はいつなのか、昨日食べたものは何だったか。そして、今、目の前にいるこの人は誰なのか。
小さな介護施設で過ごす彼女の日常は、ぼんやりと、白く、日毎に閉ざされていく。
「なつかしい、ええにおいがするねぇ」
食卓から不意に蘇るあの夏の記憶。
青いはずの空が赤く燃えている。透明なはずの雨が黒く濁っている。町が焼けるにおい、人が焼けるにおい。
残された彼女の記憶にこびりついて消えない、もうひとつのにおい。
「一緒に日本一の醤油をつくろう」
そう言ってこの手を取ったあの人は、帰ってこんかった。
ある日、あの人の消息を伝えに来たもう一人の女。
その女が差し出した細長い包みからこぼれてきたにおいは、あの人との大事な思い出の、あのにおいだった。
彼女らは、ただ、生きた。
少しずつ記憶はかすみ、見えるものが見えなくなり、見えないものが見えてくる日々の中、彼女らの思いと願いと祈りが、あの日々を生きた人たちの小さな声を引き連れて、静かに巡り続ける。
●作
藤井友紀(舞台芸術制作室無色透明)
●演出
鳴海康平(第七劇場)
●出演
大迫紗佑里(劇団こふく劇場)
木母千尋(第七劇場)
菊原真結(第七劇場)
西藤将人(劇団ハタチ族)
宮地綾
竹野弘識(メガジョッキ)
東圭香(舞台芸術制作室 無色透明)
●照明
佐々木正和
●プロデューサー
岩﨑きえ(舞台芸術制作室 無色透明)
●フライヤーデザイン
橋本デザイン室
●主催
(一社)舞台芸術制作室無色透明
●共催
合同会社 第七劇場
●助成
令和2年度芸術文化振興基金
●お問合せ
(一社)舞台芸術制作室無色透明
Mail:info.musyokutoumei@gmail.com
HP:https://engekihiroshima.wixsite.com/creative-residence/2020