第七劇場の鳴海さんは、わたしの制作人生の中で最も長くご一緒しているアーティストのお一人です。
この度の作品では改めて、彼の演出力の高さに感服し、また制作としても、作品や作家との向き合い方、その仕事ぶりは同年代の人間として恥じない仕事をしなければと襟を正される思いをしています。
制作者とプロデューサーというのは、似て非なるものだと思っています。
わたしは長年、制作者ではありましたがプロデューサーではありませんでした。その理由はずっと背中を追いかけてきた京都の杉山準プロデューサーの存在が大きかったからです。彼の芸術に対する姿勢やその仕事をわずかながらでも垣間見ていると、単に創作作品の金銭的責任を負い発言力を持つ者が演劇プロデューサーを名乗ってはいけないという気がしていて、自分がそこに名前を連ねるには至らないと感じていたからです。
わたしがその一線を越えたのは、まだ最近で、このクリエイティブ・レジデンス企画と、新平和からです。
わたしはプロデューサーとしてはまだまだ未熟です。
それでもこうして名を連ねられるのはその現場に関わってくれる演出、作家、役者、スタッフに、育てられているからだと思います。
毎日が目まぐるしく過ぎていきます。
その日々をこなす事に必死になり、本当に大切にしなければならないもの、自分の肩書きに恥じない行いをつい忘れがちになってしまいます。
何もトラブルが起きない事を、最大公約数が不特定多数にベストであるという選択肢を安易に選びたくない。
オリジナル1作品共同製作は、鳴海さんと役者のおかげで、決して安全地帯に軟着陸で整えると言った毛色のものにならず、ギリギリの勝負をかけられるものに仕上がっていると思います
三重のお客様に多くありがたいご感想を頂くことができたことを励みに、この作品を広島に持って参ります。
日曜日は予約は完売しましたが、当日券をご用意します。
他の回はまだお席をご用意できます。
このようなご時世ですが皆さまにお会いできるのを楽しみにしております。
どうぞよろしくお願い致します。
以下、鳴海さんの演出ノートです。
地域新進演劇人育成事業
クリエイティブ・レジデンス2020『かのじょは、夏』
【広島公演】2020年
11月27日(金)19:00
11月28日(土)14:00、19:00
11月29日(日)13:00(※前売りは完売)
広島市東区民文化センター スタジオ2
●チケット料金
一般前売り 2,500円(当日3,000円)
U25前売り 2,000円(当日2,500円)
高校生以下 1,000円(前売り・当日共)
●作
藤井友紀(舞台芸術制作室無色透明)
●演出
鳴海康平(第七劇場)
●出演
大迫紗佑里(劇団こふく劇場)
木母千尋(第七劇場)
菊原真結(第七劇場)
西藤将人(劇団ハタチ族)
宮地綾
竹野弘識(メガジョッキ)
東圭香(舞台芸術制作室 無色透明)
●照明
佐々木正和
●プロデューサー
岩﨑きえ(舞台芸術制作室 無色透明)
●お申し込み先
カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/residence2020hir
●フライヤーデザイン
橋本デザイン室
●主催
(一社)舞台芸術制作室無色透明
●共催
合同会社 第七劇場
●助成
令和2年度芸術文化振興基金
広島市文化芸術振興臨時支援事業